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労働法トピックス

2017/03/27   労働法トピックス   雇用契約  

労働契約の付随義務 ~労働者の秘密保持義務や競業避止義務~

 

 労働契約が締結されれば,これに基づき使用者は労働者に対して賃金支払い義務を負い,労働者は労働義務を負います。もっとも,使用者及び労働者の双方は,このような権利義務にとどまらず,労働契約によりさらにいくつかの付随的な義務を負うことになります。このような付随義務は,大きく組織運営上の権利義務と,信義則上の誠実・配慮義務に分けられます。

 

 組織運営上の権利義務としては,使用者が労働者の配置や処遇等を決定するための人事権や,使用者が職場秩序を維持するために行使する企業秩序定立権があります。この企業秩序定立権を労働者の側からみれば,労働者は企業秩序遵守義務を負うということになります。

 

 また,労働契約は,人間的・継続的な性質を持つ契約であり,労働契約の両当事者は,相手方の利益を不当に害しないようにする信義則上の義務を負っています。この信義則上の義務は,労働契約法3条4項において,「労働者及び使用者は,労働契約を遵守するとともに,信義に従い誠実に,権利を行使し,及び義務を履行しなければならない。」と定められています。この信義則上の義務により使用者が負う義務としては,①労働者の生命・身体の安全確保に配慮すべき安全配慮義務や,②労働者が働きやすい良好な職場環境を維持する職場環境配慮義務や,③配転や出向において労働者の負担に配慮したり,整理解雇において解雇以外の手段で目的を達成したりするよう努力する人事上の配慮義務などがあります。

 

 これに対し,労働者の付随義務としては,企業秘密を保持すべき秘密保持義務や,使用者と競合する企業に就職したり自ら開業したりしない競業避止義務などがあります。このうち,秘密保持義務は,労働契約上の信義則上の義務に加え,不正競争防止法における「営業秘密」(同法2条6項)に該当する場合に不正競争の差止めや損害賠償請求という形で規制されています。

 

 また,競業避止義務は,在職中は特別の定めがなくとも労働契約の信義則上の義務として認められますが,退職後については,競業避止義務に関する特別な定めがある場合にのみ認められます。もっとも,この競業避止義務の特約は,それを無制限に認めると労働者の職業選択の自由を制約することになるため,就業制限の期間,場所的範囲,制限対象となっている職種の範囲,代償措置の有無等からみて,必要かつ相当であって合理的なものであれば有効とされます。

 

 裁判例を見ると,地域や職種がある程度限定されていれば,3年程度の競業避止特約は有効であると判断されているようです。競業避止特約が有効な場合,競業行為の差止めや損害賠償請求が認められます。

 

 また,競業避止特約を締結していない場合であっても,競業行為の態様が悪質な場合には,使用者の営業利益を侵害する不法行為と判断されれば損害賠償請求が認められます。裁判例の中にも,在職中から内密に計画し,同僚従業員の大量引き抜き行為を行い,元の会社の事業に重大な支障を生じさせた事案について,損害賠償請求が認められたものがあります(東京地裁平成3年2月25日判決)。

 

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