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労働法トピックス

2017/04/25   労働法トピックス   労働組合  

労働委員会による救済命令

 

 会社が不当労働行為を行った場合,労働者や労働組合から労働委員会に対して救済命令の申立てがなされることがあります。

1 労働委員会

 

 労働委員会とは、労働組合法によって設置された独立行政委員会で、使用者委員、労働者委員、公益委員により構成された委員会です。労働委員会には、厚生労働大臣が所轄する中央労働委員会と、都道府県知事が所轄する都道府県労働委員会とがありますが、通常の場合、まずは都道府県労働委員会が審理し、その決定に不服がある場合に、中央労働委員会に再審査の申立てをするという仕組みになっています。
 労働委員会は、労働組合や労働者から不当労働行為の救済申立てにより、調査、審問、委員会議等の審査を行い、不当労働行為があると判断した場合、救済命令を出します。

2 当事者

 

 労働組合と労働者個人が、申立人として、労働委員会に対する不当労働行為に対する救済を求めることができます。
 他方、救済命令申立ての相手方は、労働組合法第7条の「使用者」ですので、不当労働行為を実際に行った人が被申立人となるわけではありません。

3 救済命令

 

 いかなる内容の救済命令を出すことができるかについては、労働委員会に幅広い裁量が認められています。
 もっとも、裁量権も無制限に認められるものではありませんので、限界があります。
 例えば、労働委員会が、昇進昇格差別に対して特定職位に就けるように命じる昇進命令は、会社の人事権への過度な介入であり、裁量権の限界を超えた違法な命令といえます。また、使用者に対して、「会社は、今後一切組合運営に介入してはならない。」といった抽象的に不作為を命じる命令は、会社側の行為を過度に制約するおそれがあるので、その裁量権の範囲を超えるといえるでしょう。さらに、労働委員会が会社に対して損害賠償を命じることも、救済命令制度が正常な労使関係の実現にあることから、原則として認められないと考えられています。

4 取消訴訟

 労働委員会の救済命令は、一種の行政処分ですので、取消訴訟の対象となります。

 

 

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