労働法トピックス
2017/03/27 割増賃金・残業代・賞与・手当 労働法トピックス
注意しよう!定額残業代の合意
定額残業代とは,月額3万円を定額残業代として支払う場合のように,会社が従業員に残業をさせた場合に,労働基準法37条によって計算される割増賃金ではなく,定額で残業代を支払うことです。
この定額残業代の合意も,労働者に対して実際に支払われた割増賃金が法所定の計算による割増賃金を下回らない場合には労働基準法37条違反とならないとされており,一般論として,合意をすること自体は可能です。
しかし,定額残業代の合意の有効性の問題は,厳格に判断される傾向にあります。すなわち,会社としては,きちんと定額残業代を支払っていると認識していても,従業員等から請求を受けたり,労働基準監督署の臨検検査を受けたりする場合に,残業代を支払っていないと評価されることになります。そして,定額残業代の合意が認められないと,従前は基礎賃金額に算入していなかった定額残業代部分も含めて基礎賃金額に算入しなければならなくなったり,残業代自体の支払がなかったものとして,その増額された基礎賃金額によって計算された不足分を支払う必要が生じることにもなります。これにより多額の未払い賃金を支払う必要が生じ,会社としては,想定していなかったような金額の残業代を,ともすれば二重に支払うことにもなりかねません。
そのため,会社が定額残業代の制度を採用する場合には,それが有効であると判断されるために,以下①乃至④の点に注意する必要があります。
①就業規則や個別の雇用契約に定額残業についての定めがあるか。
②定額残業代とそれ以外の賃金を明確に区分できるか。
③定額残業代が実質的に残業代としての性格を有しているか。
④差額支払の合意や実態があるか。
定額残業代制度については,以上のように種々の注意点があります。
従業員等から未払い賃金の請求を受けた場合,会社としては,早期解決するべき案件なのか,徹底的に争うべき案件なのかについて,現状の労務管理の在り方,法制度,他の従業員へのインパクト等,諸般の事情を考慮し,早い段階で方針を決定することが肝要です。
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