ニュースレター発刊にあたってのご挨拶　　　　　弁護士　下山和也

当事務所では，日頃お世話になっている方々に向け，当事務所の活動や皆様方のお役に立つ法情報を掲載したニュースレターを定期的に発行することになりました。

今回が第１号となります。当事務所は，「その依頼者にとって催行のプロフェッショナル」であることをコンセプトに，熊本という地方都市で開業している弁護士として，東京などの都市部の一流の法律事務所と変わらぬ法的サービスを提供するために努力してきました。日々研鑽を積み，絶え間ない法改正をフォローする努力を怠らないことが，真のプロフェッショナルに必要であると考えています。また，弁護士業務において，法律的アドバイスや解決方法は，依頼者それぞれによって異なります。その意味で，弁護士業務は極めてオーダーメイドな仕事なのですが，個々の依頼者のニーズが何なのか，その依頼者の立場に立って最善の策を提案することも心掛けています。このようなコンセプトで活動する当事務所は，これまで定期的に各種セミナーを開催して情報発信に努めてきましたが，さらにたくさんの方々に当事務所の活動を知っていただくために，ニュースレターを発行することになりました。

これまで，とかく敷居の高いと言われていた法律事務所のイメージを打ち破るための活動の一つです。当事務所は，当事務所の考え方等を依頼者の方にきちんとお伝えし，依頼者の方々が様々な情報を比較検討した結果，弁護士を選んでいただくことが必要と考えています。そのため，当事務所は，依頼者の方に比較検討していただくための情報提供が必要であると感じています。これからは，私たちと志を同じくする弁護士・スタッフと共に，私たちがやってきた仕事などに関する情報をさらに積極的に発信していきたいと思います。私たちが発信する情報を是非ご覧いただき，私たちの業務内容を知っていただいて，弁護士が必要となった際には，利用いただければと思います。なお，事務所名のアステルとは，ギリシャ語で「星」を意味します。依頼者の希望の星として，キラリと輝く事務所でありたいという意味を込めました。また，依頼者の方の「明日」が，明るく「照る」お手伝いをしたいという意味も込めています。

今後とも，アステル法律事務所をよろしくお願い致します。

従業員が交通事故を起こしてしまった場合の会社の責任

アステル法律事務所のニュースレター第１号のコラムは，従業員が交通事故を起こした場合の会社の責任について考えてみたいと思います。

網の目のように公共交通機関が張り巡らされている大都市圏と異なり，熊本での移動手段は主に自動車になります。アルバイト・正社員の募集にあたっても要普通免許とされている会社・事業者も多いですし，業務で自動車を使わなくても自家用車で通勤する従業員の方も多いのではないでしょうか。従業員が交通事故を起こした場合，従業員だけでなく，会社も事故の相手の方に対して責任を負う可能性があります。交通事故による責任の中心は損害賠償責任であり，事故の相手の方が重い障害を負われたり，亡くなられたりするとその金額が数千万円から億単位にもなることがあります。怪我が比較的軽微であっても，車の損害が大きければ数百万円にものぼる賠償金を支払う必要もでてきます。車には自動車保険（任意保険）をかけているから大丈夫。もちろんそうです。しかし，従業員が業務に時折自家用車を使っていて，たまたまその自動車保険が切れていたり，年齢条件等の保険条件を満たさなかったら，どうなるでしょう。従業員から，「実は保険が切れていまして・・・」と言われたとき，会社には責任が重くのしかかってくることがあります。会社には，従業員が業務に関連して不法行為責任（交通事故の賠償責任等）を負う場合，

使用者責任を負うことになります。この責任は，事実上の無過失責任となりますので，会社も従業員と同じ賠償責任をほぼ１００％負うことになります。数千万円の賠償責任はもちろんですが，数十万から数百万円の賠償責任を会社が負うことになれば，会社にとって不測の損害となり，資金繰りに支障をきたすことになるでしょう。万が一のことがないよう，従業員が交通事故を起こしてしまった場合の会社の責任を把握した上で，予防体制をとることが必要となります。以上の点について，7月25日開催の当事務所セミナーにおいて，説明させていただきます。