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企業法務トピックス

2019/08/19   企業法務トピックス  

取締役会の手続について


1 はじめに

取締役会設置会社において、経営判断の際に、取締役会を開催することは、多々あるかと思います。しかし、取締役会の招集・実施に関しては会社法で様々な定めがあり、法令違反等があった場合は、取締役会決議が無効と判断されてしまうこともあります。

そのため、法律上、経るべき手続等を正確に把握しておく必要があります。

以下では、取締役会の手続等に関してご説明します。

 

2 取締役会招集について

(1)招集権者

原則として各取締役が招集権を有していますが、定款又は取締役会決議によって、特定の取締役を招集権者と定めることも可能です(会社法366条1項)。多くの会社の定款では、招集権者は代表取締役と定められています。

もっとも、その場合も、他の取締役は、招集権者である取締役に対し、会議の目的である事項を示したうえ、取締役会の招集を請求することができます(同条2項)。請求日から5日以内に、「請求日から2週間以内の日」を実施日とする取締役会の招集通知が発せられなければ、請求した取締役が自ら招集することが可能です(同条3項)。

 

(2)招集手続

取締役会の日から1週間前(これを定款で短縮が可能で、3日程度にしている例が多いです。)までに、各取締役(監査役設置会社であれば、各取締役及び各監査役)に対し、招集通知を発しなければなりません(会社法368条1項)。招集通知は書面による必要はなく、口頭や電話で良いとされています。また、会議の目的事項を特定する必要もありません。

なお、取締役全員の同意があれば、招集手続を経ずに開催することが可能です(同条2項)。

 

3 取締役会の決議要件について

取締役会の決議は、決議に加わることができる取締役の過半数が出席し(定足数)、出席取締役の過半数の賛成により成立します(会社法369条1項)。これらの要件は、定款で加重することはできますが、緩和することはできません。

また、決議に特別の利害関係を有する取締役は、公正を期するため、決議に加わることができません(同条2項)。例えば、譲渡制限株式の譲渡承認決議における譲渡当事者、株式の第三者割当てを引き受ける取締役等が、これに該当します。特別の利害関係を有する取締役が加わった取締役会決議は、原則として無効となりますので、注意が必要です。

 

4 柔軟な運用方法

(1)書面決議

取締役会は、原則として現実の会議を開催することを要し、持回り方式などによる決議は認められていません。

もっとも、定款により書面決議を定めることで、現実の会議を開いて決議を行うことの省略は可能です(会社法370条)。

この場合、取締役が、取締役会の決議の目的である事項を提案した場合に、決議に加わることができる取締役全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役会設置会社では、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を、定款で定めておく必要があります。

 

(2)テレビ・電話会議システム

映像・音声の送受信により、相手の状態を相互に認識しながら同時に通話できる方式を利用して、取締役会を開催することも可能と考えられています(会社法施行規則101条3項1号参照。)。

ただし、取締役間の協議と意見交換が自由にできることが前提となります。そのため、出席しなかった取締役に対し、事後的に電話等で会議の内容を伝達し、同取締役の意見を確認するような方法では、認められません。

 

 

取締役会は、決議の内容・手続に瑕疵があれば、その決議は原則として無効と考えられており、手続を正確・慎重に実施する必要があります。

不測の事態等により、急遽取締役会にて重大な決定を行う必要が生じた際等に、手続についてお悩みがありましたら、弁護士法人アステル法律事務所にご相談ください。

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