企業法務トピックス
2020/01/11 企業法務トピックス 持分会社
合同会社の社員の退社
1 退社の種類
合同会社の社員の退社には、任意退社と法定退社があります。
(1)任意退社
合同会社の存続期間を定款で定めなかった場合、又は、ある社員の終身の間合同会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社することができます。これを任意退社と言います。任意退社の場合、退社を希望する社員は、6か月前までに退社の予告をしなければなりません。ただし、合同会社は、任意退社について定款で別段の定めをすることができます。
また、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができます。
(2)法定退社
会社法607条1項において、社員に以下の事由が生じた場合には退社するものと定められています。
①定款で定めた事由の発生
②総社員の同意
③死亡
④合併により当該法人が消滅する場合の合併
⑤破産手続の開始決定を受けたとき
⑥解散
⑦後見開始の審判を受けたこと
⑧除名の事由が生じた場合
ただし、法定退社についても、合同会社は社員が⑤から⑦までに揚げる事由の全部または一部によっては退社しない旨を定めることができます(法607条2項)。
(3)その他
社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができます(法609条1項)。この場合においては、当該債権者は、6か月前までに、持分会社及び当該社員にその予告をしなければなりません。
2 退社に伴う持分の払い戻し
持分会社において、退社した社員は、出資の種類を問わず、持分の払い戻しを請求することができます(法611条1項)。会社は、出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができます(法611条3項)。
もっとも、合同会社については、持分の払い戻しにより社員に対して交付する金銭の帳簿価格が、持分の払い戻しをする日における剰余金額を超える場合には、一定の事項を官報に公告しなければならず、債権者は、合同会社に持分の払い戻しについて異議を述べることができます(法635条1項)。この場合、合同会社は一定の場合を除いて、債権者に対し、弁済等の処置を講じなければなりません(法635条5項)。
合同会社がこれらの規制に違反して持分の払い戻しをした場合には、当該持分の払い戻しに関する業務執行社員は、注意義務違反がなかったことを証明しない限り、合同会社に対し、持分の払い戻しを受けた社員と連帯して、持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負います(法636条1項)。かかる義務は、持分の払い戻しをしたときにおける剰余金額を限度として、総社員の同意により、免除することが可能です(法636条2項)。
合同会社は、広く定款自治が許される会社形態です。どのような会社形態を選択するべきかにお悩みの場合等、弁護法人アステル法律事務所にご相談ください。
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