企業法務トピックス
2020/01/16 企業法務トピックス
株式買取請求権
1 意義
株式買取請求権とは、①株式の内容変更、株式の併合により株式数に1株未満の端数が生じる場合、②事業譲渡をする場合、③合併・会社分割・株式交換又は株式移転をする場合(以下、「組織再編等」といいます。)に、それに反対する株主が、会社に対し、自己の保有する株式を公正な価格で買い取ることを請求する権利をいいます。
株主の投下資本回収の機会を確保することにその趣旨があります。
2 権利行使
(1)権利行使できる株主
株式買取請求権を行使することができるのは、組織再編等をするために株主総会決議を要する場合には、株主総会に先立って反対した株主と、株主総会において議決権を行使できない株主です。
また、株主総会を要しない場合には、すべての株主が行使することが可能です。
(2)公正な価格
株式買取請求権に基づく買取価格は「公正な価格」です。この公正な価格について、明文規定はありません。最高裁は、組織再編等により、企業価値の増加が生じない場合は、原則として、当該株式買取請求がされた日における、組織再編等を承認する旨の株主総会決議がされることがなければその株式が有したであろう価格であると判示しています。また、企業価値の増加が生じる場合は、組織再編計画において定められていた組織再編に伴う株式等の割り当てに関する比率が公正なものであったならば、株式買取請求日においてその株式が有していると認められる価格をいうとされています。
株式買取請求があり、株主と会社との間で協議が整った場合、会社は効力発生日(組織再編等の効力発生日)から60日以内に株式買取請求にかかる価格を支払わなければなりません。
一方、効力発生日から60日以内に株式の価格について協議が整わないときは、株主又は会社は、その期間の満了の日後30日以内に、会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に価格決定の申し立てを行うことができます。
株主の立場で株式買取請求の行使を行う場合や、会社として株式買取請求を受けた場合など、弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください。→https://www.aster-law.net/reservation/
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