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2020/06/11   事業再生トピックス   特別清算  

特別清算手続の流れ

⑴ 特別清算開始の申立て

特別清算は、①清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があるか、②債務超過の疑いがあるときに、債権者、清算人、監査役または株主が申立てることができます。なお、②に該当した場合は、清算人に申立義務が課されています。
特別清算事件の管轄は、原則的には清算会社の本店を管轄する地方裁判所です。
特別清算開始の申立がなされた場合、①費用の予納がない、②特別清算による清算結了の見込みがない、③特別清算によることが債権者の一般の利益に反する、④不当または不誠実な申立てであるといった事由がなければ、開始決定がなされます。

⑵ 特別清算開始後の手続

特別清算開始決定があると、これと抵触する破産手続開始申立て等が禁止されます。既になされている強制執行等の手続は中止し、開始決定が確定すると特別清算手続との関係で失効します。その他、一定の要件を満たす場合には、裁判所は、担保権実行の中止を命ずることもできます。
特別清算手続の対象債権は、特別清算開始により、個別執行が禁止され、弁済が制限されます。
特別清算手続は裁判所の監督に服し、裁判所は必要な調査をすることができますが、実際に手続を遂行するのは清算人です。清算人は、債権者、清算会社及び株主に対して公平・誠実義務を負担します。清算人は、清算会社の財産換価を進めますが、一定の行為をするには、裁判所の許可又は裁判所の選任した監督委員の同意を得なければなりません。

⑶ 債権者集会

債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、清算会社が随時招集できます。
清算人が清算会社の財産目録等の作成を完了させたときは、別途債権者に対する周知方法をとった場合を除き、清算会社は、遅滞なく債権者集会を招集し、清算会社の業務及び財産状況の調査の結果並びに財産目録の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みを説明しなければなりません。

⑷ 協定の手続

特別清算による手続の対象となる債権(協定債権)の減免の手続は、協定の申出によって行われます。債権者集会における協定の可決には、出席した議決権者の過半数かつ、議決権者の議決権総額の3分の2以上の同意を要します。協定が可決された場合、法令違反等の不認可事由がなければ、裁判所はこれを認可し、認可決定の確定により協定の効力が生じます。

⑸ 特別清算手続の終了

特別清算が結了するか、特別清算の必要がなくなったときは、清算人、監査役、債権者、株主または調査委員の申立てにより、裁判所は特別清算終結の決定をすることになり、これにより特別清算手続は終了します。

 

 

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