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2020/08/26   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

債権者代位・詐害行為取消権(債権回収)

1 責任財産からの債権回収

債権者は、債務者が金銭債務を履行しない(お金を支払わない)場合、勝訴判決などの債務名義(強制執行の根拠となる文書)を得たうえ、債務者の責任財産への強制執行をかけていくことになります。

債務者の責任財産には不動産等含め様々なものがありますが、債権者が債務者の責任財産を保全するための民法上の手段として、①債権者代位権と②詐害行為取消権があります。

 

2 債権者代位権(①)

債権者代位権は、債務者が自己の有する権利を行使しない場合に、債務者に代わって権利行使することができるという制度です。

改正前民法では、他人(債務者)の財産管理に介入する制度であるにもかかわらず、具体的なルールが定められていませんでした。そこで、民法423条の2以下で、概要次のとおりルールが明確化されました。

・代位行使する権利が可分であるときは、債権額の限度でのみ行使できる。

(100万円しか債権を持っていないときには、債務者が200万円の権利をもっていても、全額ではなく100万円の限度で行使する。)

・金銭債権等を代位行使する場合、債権者は自己への支払い等を求めることができる。

(第三債務者から直接100万円を回収して、自己の債権の弁済に充ててOK)

・債権者の代位行使後も、債務者自身の取立て等処分を妨げられない。

(債権者が第三債務者に自らに対して100万円を払うよう求めていても、債務者自身も100万円取立てできる)

・債権者が訴えをもって代位行使するときは、債務者に訴訟告知をしなければならない。

 

3 詐害行為取消権(②)

詐害行為取消権は、債務者が債権者を害することを知りながら自己の財産を流出させる行為をした場合に、債権者がその取消し等を裁判所に請求することができるという制度です。債権者代位と異なり、必ず訴えをもって行使しなければなりません。

改正前民法では、他人(債務者)がした行為を取り消すという強力な制度であり、複雑な利害調整を要するにもかかわらず、具体的なルールが定められていませんでした。そこで、民法424条の2以下で、概要次のとおりルールが明確化されました。

・取消対象の行為が可分であるときは、債権額の限度でのみ行使できる。

・債権者は、債務者がした行為の取消しとともに、逸出財産の返還(返還困難な場合価額の償還)を請求できる。

・債権者が詐害行為取消請求にかかる訴えを提起するときは、債務者に訴訟告知をしなければならない。

 

このほか、破産法の否認権等との整合性をとる改正がなされています。

 

4 経過措置

債権者代位権については、被保全権利(債権者が持っている権利)の発生時点にかかわらず、被代位権利(債務者が持っている権利)の発生時点が基準時です。このため、令和2年4月1日以後に発生した権利に対する代位行使について、改正法が適用されます。

詐害行為取消権については、令和2年4月1日以後に行われた詐害行為について、改正法が適用されます。

 

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