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2020/11/18   コロナ関連トピックス   従業員対応  

コロナ対応Q&A(労務編) PCR検査の受診を指示することの可否

1 設問

①当社で新型コロナウィルス感染者や濃厚接触者と接触した従業員がいるため、PCR検査を受けるように指示をしたいと考えていますが、可能でしょうか。また、②指示ができるとして、指示を拒んだ従業員に対してどのような対応が可能でしょうか。

2 回答

(1)設問①について

業務命令としてPCR検査を受けるように指示することは可能です。

労働契約において、使用者側は賃金支払義務、労働者側は労働義務を負っています。そして、労働義務は使用者の指揮命令権限を予定しており、使用者が業務遂行や安全配慮義務の履行のために労働者に対して行う指示又は命令を「業務命令」といいます。

会社としては、従業員に対する安全配慮義務の観点から社内での感染拡大を防止するため、感染の有無を明らかにする必要性があり、PCR検査を受けるよう業務命令により指示することが可能と考えられます。

一方で、PCR検査は痰や唾液の採取の他、鼻から綿棒を挿入して粘液や細胞を採取する検査が行われており、後者は一定の身体の侵襲を伴うため、労働者に受診義務を負わせられるか否かは一応問題となります。しかし、採血と比べても身体の侵襲の程度は低く、これを以て直ちに労働契約上予定されていない義務とまで評価される可能性は低いと言えます。

また、検査結果を使用者が取得することが、個人情報保護法の観点からも問題となります。

検査結果は要配慮個人情報として、原則本人の同意の上で取得すべきですが、PCR検査が一定の信用性が認められていること、感染者や濃厚接触者と接触している場合は感染の具体的可能性が認められること等から、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合」(個人情報保護法17条2項2号)に該当すると考えられます。したがって、同規定に基づき、使用者は本人の同意を得ずして検査結果の取得をすることも可能です。

 

(2)設問②について

業務命令に違反してPCR検査を受けない従業員に対しては、出勤を停止させることが可能で、この間は賃金の支払いも不要です。

まず会社としては、他の従業員との関係で安全配慮義務を履行する必要性がありますので、感染の具体的な疑いがある従業員の労務提供を拒絶することができます。

そして、新型コロナウィルスに感染した具体的な疑いがあり、社内で感染を拡大させる危険性が高い状況にある従業員の労務の提供は、債務の本旨に従ったものとは言えません。このため、当該従業員の就労を拒絶しても、それは使用者の「責めに帰すべき事由」(民法536条)があるとは言えず、出勤停止期間中の賃金支払義務も生じないと考えられます。

 

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