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労働法トピックス

2022/07/15   休業~産休・育休を中心に~   労働法トピックス  

育児休業制度以外の育児支援措置

 

育児介護休業法では、育児休業制度以外にもいくつかの育児支援措置が定められています。

※育児休業制度についてはこちらをご参照ください。育児休業

 

1 子が3歳未満まで

(1)所定時間外労働の免除(法16条の8)

労働者が請求した場合には、所定労働時間を超えて働かせてはならないこととされています。

労働者の請求は、開始予定日の1か月前までに、開始予定日と終了予定日を明らかにして行わなければなりません。1度に請求できる期間は1か月~1年の範囲内ですが、回数制限はありません。

この措置については、①継続雇用期間が1年未満、又は②週の所定労働日数が2日以下の労働者については、事業所の過半数労働組合又は過半数代表者との労使協定により適用対象外と定めることもできます。

(2)短時間勤務(法23条)

育児休業を取得しない労働者が希望した場合には、1日の所定労働時間を6時間に短縮する措置を講じなければならないこととされています。なお、選択肢として、6時間に短縮する以外の選択肢を合わせて用意し、提示することまでは妨げられません。

この措置については、前記①、②の労働者のほか、③業務の性質又は業務の実施体制に照らして短時間勤務措置を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者については、事業所の過半数労働組合又は過半数代表者との労使協定により適用対象外と定めることもできます。

ただし、③の労働者にこの措置を講じない場合には、a)フレックスタイム制、b)始業・終業時間の繰上げ・繰下げ、c)保育施設の設置運営、d)その他これに準ずる便宜供与の、いずれかの措置を講じなければならないとされています。

(3)その他

前記⑵の措置が法律上義務づけられるのは育児休業を取得しない労働者に限られていますが、いずれの労働者についても、前記a~dの措置を含む各措置を講じることが努力義務とされています。

 

2 子が小学校に就学するまで(3歳未満含む)

(1)法定時間外労働・深夜労働の制限(法17条、19条)

労働者が請求した場合には、1か月につき24時間、1年につき150時間を超える時間外労働をさせてはならず、また、午後10時から午前5時までの深夜労働をさせてはならないこととされています。

ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りではありません。

また、この措置については、前記①、②の労働者のほか、③深夜において常態として子を養育できる同居家族がいる者、④所定労働時間の全部が深夜にある者については、請求を拒むことができるとされています(労使協定不要)。

(2)子の看護休暇(法16条の2)

労働者が申し出た場合には、1年度において5労働日(対象となる子が2人以上の場合は10労働日)を限度として、負傷し又は疾病にかかった子の世話又は疾病の予防を図るために必要な子の世話(予防接種・健康診断等)をするための看護休暇を取得させなければならないこととされています。

労働者の請求は、口頭でも構いませんが、子の氏名と取得する年月日等を明らかにして行う必要があります。

この制度は平成16年に創設されて以降改正が重ねられ、平成28年改正で半日(所定労働時間の2分の1)単位で取得できるとされていたのが、令和元年には時間単位での取得も可能となり労働者側の便宜が図られました。

なお、この制度は、労働者の請求について事業主が判断してOKを出すというものではなく、労働者の一方的申し出で取得でき、事業主側に拒む余地はないとされています。

もっとも、この制度については、①継続雇用期間が6か月未満であるか、②週の所定労働日数が2日以下の労働者、③(半日単位での取得について)業務の性質又は業務の実施体制に照らして半日単位で休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者については、事業所の過半数労働組合又は過半数代表者との労使協定により適用対象外と定めることができます。

(3)その他

子が3歳以上になると、育児休業のほか、前記1⑴の所定時間外労働の免除、同⑵の短時間勤務等の措置が強制されなくなります。しかし、就学前までは、同⑶のa~d記載の各措置を含め、同等の措置に努めるよう努力義務が定められています。

 

3 就業場所の変更を伴う配転について(法26条)

以上のほか、事業主は、就業場所の変更を伴う配転を行おうとする場合には、労働者の子の養育状況に配慮しなければならないことも規定されています。

この規定は、直接的に何か効果を生じさせるものではありませんが、配転命令が権利濫用とならないかを判断するうえで重要な要素となると考えられます。

 

現在、ワークライフバランスの重要性が謳われ、男女を問わず、個々人の生活リズムに合わせて働いていける環境の整備がますます求められています。少子化等により人員確保が年々難しくなっていく中、育児支援措置が充実していることは人材確保の観点から大きな意義を有すると考えられます。

 

育休制度や育児支援措置について、どのように整備すればよいかお悩みの際には、お気軽にご相談ください。

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