トピックス
2023/08/22 破産トピックス 破産手続上の注意点
車の処分の要否
1 はじめに
前回のコラムでは、破産手続を利用する場合、保有している持ち家がどうなるかについてご説明しました。
今回のコラムでは、持ち家と並んで重要な財産である自動車が、破産手続を利用する場合にどうなるのかについてご説明します。車が処分されるかどうかは、ローンを完済しているかどうかで変わるため、ローンが残っている場合とローンを完済している場合に分けてご説明します。
2 ローンが残っている場合
⑴ 引揚げ
車のローンを組んでいる場合、通常ローン契約の内容に所有権留保特約が盛り込まれています。所有権留保特約とは、車を購入した人がローンを完済するまで、そのローン会社が車の所有権を保持するという特約です。
所有権留保特約がある場合に、自己破産の申立てを行うと、ローン会社が自動車を引き揚げに来ます。自分が乗っていた車を引き揚げられて、理不尽に思うかもしれませんが、ローン会社としては、自己所有の自動車を返してもらうにすぎません。
⑵ 所有権留保特約があるかを確認する方法
自分の車に所有権留保特約があるかどうかは、車検証を見ると確認できます。この特約がある場合は、通常車検証の名義つまり所有者欄に、ローン会社の名前が記載されています。ただ、特約がある場合でも、車検証の名義が本人になっていることもあるので、ローン契約書も確認するようにしてください。
3 ローンを完済している場合
⑴ 熊本地方裁判所の運用基準
熊本地方裁判所の破産係では、原則として初年度登録日から5年を経過した国産車(高級国産車を除く)については、零円と評価する運用がなされています。また、その他の自動車であっても、処分見込額が20万円以下の自動車については、換価されないことになっています。車が上記基準を満たしている場合は、換価せずに済む可能性が高いです。
⑵ 車を保持できる場合
ローンを完済している場合、車は破産手続における換価処分の対象となることが原則です。しかし、その他やむを得ない事情がある場合、裁判所にその旨を上申することで、車の保有が認められるときもあります。
4 おわりに
熊本県内にお住まいの方であれば、自動車は生活に欠かせない財産です。破産手続をしたいと思っても、自動車が使えなくなり生活できなくなるのではないかと考えて、破産手続に踏み切れない方もいるかと思います。破産申立のお手伝いと一緒に、車を処分しないといけないのかという疑問についても、丁寧にご説明させていただきます。
お困りの際は、お気軽にアステル法律事務所にご相談ください。
Contact usお問い合わせ・法律相談のご予約
法的な問題でお困りの方は
まずは弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください!
tel.0120-94くよくよ-74なし55GO! GO!
tel.0120-94-7455くよくよなしGO! GO!
受付時間/平日9:00〜17:00