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2017/04/07   企業法務トピックス   判例紹介   新法・法改正・判例紹介トピックス   新法・法改正・新判例紹介  

【新判例紹介】インターネット検索エンジンの検索結果の削除請求の可否について判断した事例


平成29年1月31日,最高裁は,インターネット検索エンジンの検索結果の削除請求の可否について,注目すべき判断を言い渡しました。

 

この事案は,児童買春をした容疑で平成23年11月に逮捕され,同年12月に罰金刑に処せられた者(以下,「本件削除請求者」といいます。)が,インターネットの検索事業者に対し,本件削除請求者の居住する県の名称及び氏名を条件として検索した場合に,児童買春で逮捕された事実等が表示されることに対し,この検索結果の削除を求めたものです。

 

本件において,最高裁は,検索事業者に対する検索結果の削除の可否に関して,「当該事実の性質及び内容,当該URL等情報が提供されることによってその者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,上記記事等の目的や意義,上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化,上記記事等において当該事実を記載する必要性など,当該事実を公表されない法的利益と 当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべき」との判断基準を示し,その上で,これらの比較衡量の結果,「当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には,検索事業者に対し,当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができるものと解するのが相当である。」としました。

 

最高裁は,これらの判断基準に基づき,本件においては,児童買春の容疑で逮捕された事実は他人に知られたくないプライバシーに属する事実ではあるが,社会的に強い非難の対象であり,今もなお公共の利害に関する事項であるとしました。また,検索結果が,本件削除請求者の居住する県の名称及び氏名を条件とした場合の検索結果の一部であることから,伝達される範囲はある程度限定されているとし,本件において削除請求は認められないと結論付けました。

 

昨今,インターネットの検索エンジンで検索した場合に,様々な検索結果が表示されますが,その削除請求が認められるかについて,実務上参考となるものです。

 

 

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