企業法務トピックス
2017/03/27 企業法務トピックス 知的財産
新しいタイプの商標 ―貴社のブランドどう守る?
平成27年4月1日から新しいタイプの商標の出願が始まりました。色彩,位置,動き,ホログラム,音といった新しいタイプの商標を登録しようと,その後半年間の間に約100件の出願がありました。しかし,査定率(登録に至った割合)は4%と,なかなか査定に至っていないのが実情です。
査定のポイントは,消費者がその色彩,位置,動き,ホログラム,音を見聞きした際に,特定のブランドであると認識するものか否かといったところにあります。
そのような観点からすると,最も査定のハードルが高いのが“色彩”です(平成28年1月8日時点で査定率0%)。とくに,複数の色の組み合わせではなく,単色であると,その色を見るだけで特定のブランドを想定することになり得るかというと,なかなか厳しいというわけです。現在の査定状況をみるに,色彩については,よほど独特な色合いでもない限り,色だけで商標登録をするのは難しいのではないかと思われます。少なくとも,商品のどの部位に何色を使うのかというところまで特定しておいた方がよいでしょう。
逆に,新商標のうち最も査定率が高いのが“動き”です(査定率20%)。CMで流れる会社ロゴの動き等をブランドイメージとして使用しようという際には,その登録が有用化と思われます。もっとも,従来のようにロゴの形だけではなく動きまで登録しておく必要があるか否かというのは,別途検討が必要でしょう。ロゴの形が比較的単純で,動きによってブランドの特徴を出しているような場合には,動き自体を登録しておくのが有用かもしれません。また,CMにおける商品等の動きにインパクトがあり,そのCMにおける動きを競業他社にまねされたくないような場合にも,動きの商標登録を検討してよいでしょう。
こうした新しい商標は,うまく活用すれば,自社のブランドイメージを強化させることができると考えられます。しかし,査定で拒絶される割合が多いのは,識別性(それにより特定のブランドと認識できるか)や独占適応性(登録すると競業他社が困る事態にならないか)が問題になりやすいためです。
また,新しい商標は,他社にまねされた場合に広まるスピードが速く,あっという間に識別性が失われてしまうおそれがあります。そのため,商標登録後も,他社による使用の差止め等の管理を迅速かつ適切に行わなければなりません。
そのようにして力を入れて守っていきたい自社のブランドイメージはどの範囲か,十分に検討して新しい商標の活用を検討する必要があるでしょう。
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