企業法務トピックス
2017/03/27 企業法務トピックス 新法・法改正・判例紹介トピックス 新法・法改正・新判例紹介 法改正
改正特許法(職務発明規定改定)―vol.1:“会社の”発明
青色発光ダイオード問題が社会を席巻してから,約10年が経過した平成27年7月3日,ついに特許法の職務発明規定が改正され,発明が誰のものかという問題の解決の道筋が示されました(平成28年4月1日施行)。
今回の特許法改正は,企業の大小を問わず,新たな物や技術を開発する会社にとって非常に重要な改正となりました。
改正の最大のポイントは,これまで“従業員の”発明を会社が取得する形だったのが,“会社の”発明とする間口が設けられたことです。
これまでは,各会社において,職務発明規定上,「譲渡しなければならない」と定めたり,届出や譲渡証の提出を義務付けたりと,発明者である従業員個人から会社に対して権利を移転する手続きを必要としていました。
しかし,改正特許法により,「使用者(法人)原始帰属」,つまり,もとから会社が発明者としての権利を持つことが認められたのです。
会社自身が最初から権利を持つことにより,従業員から他の会社への二重譲渡の問題(出願の先後で優劣が競い合われていました。)や,社外に共同発明者がいる場合の煩雑さ(持分しか得られないリスク)がなくなりますので,会社にとっては大きなリスク軽減につながります。
もっとも,改正特許法ができたからといって自動的に会社が発明者となるのではなく,契約,勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めなければなりません(特許法35条3項)。
このため,既存の社内規程を確認し,従業員から会社が譲渡・取得するような表現が用いられているような場合には,「発明完成時に会社が特許を受ける権利を取得する」など,最初から会社が権利を持つような表現に規程を改訂する必要があります。
なお,会社にとってそれほど価値を有さない発明もあり得ますので,あらゆる発明に対する利益の支払が義務付けられないよう,取得するかしないかを会社が判断できる余地を残しておくとよいと思われます。
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